三鷹で身の回りの電柱をみつめる・まとめ1
あなたの身近な電柱が無くなったらどうなるのだろう、第8弾。
(東京都三鷹市牟礼)
東京の代表的な住宅都市として三鷹を中心にとりあげてきたわけだけども、
実際にこの三鷹市から電柱が無くなったどうなるのだろうか。
その場合、どれだけのコストがかかるのか、取捨選択して無電柱化する場合、
どこの電柱を優先してやるべきなのか、どんな電柱は残しても良いのか。
徹底して検証してみる。
まず、無電柱化(電線類地中化や裏配線、軒下配線)には、
どのような効果があるのだろうか。
パッと思い浮かぶのは、交通面だ。
車で移動するときの狭い路地に立つ電柱が邪魔で車をこすってしまったり、対向車とのすれ違いが非常に難しかったり、バスがなかなか進めなかったりして渋滞を起こす原因にも
なっていそうだ。
また、自宅から駅までの歩道が狭かったり、電柱が邪魔していたり、というシーンも多々あって、歩行者にも当然不評な面もあるだろう。
そして、散歩するときに空がキレイに見えるのは、精神的にとても良い。
「だから何?」なんて言われると説明に困ってしまうのだが、
ゆっくりお散歩するときの気分を想像してもらいたい。
例えば、川沿いや海沿いの道、公園、緑や花の多い場所を歩く時に、
電柱が景色の邪魔をしていることはないだろうか。
私ほど電柱を愛していれば別だが、あまり歓迎されないのは事実だろう。
国土交通省の「無電柱化推進計画」の策定についてでは、
http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/20040414/s1.html
(以下、一部抜粋)
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『2.無電柱化の基本的な考え方 無電柱化は、安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止、情報通信ネットワークの信頼性の向上、観光振興、地域活性化等の観点から…(後略)』
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(1)交通安全
(2)景観向上
(3)都市災害*防止
(4)通信の信頼性向上
(5)観光振興
(6)地域活性化
*都市災害とは、都市部での災害で、人口過密により大規模な被害が生じる災害。
人がいない場での洪水は死傷者も出ないが、人口過密地での洪水は被害が大きい。
対極事例として、奇跡の死者ゼロ『鳥取西部地震(M7・3)』が記憶に新しい。
とあり、想定される効果はだいたい予想と間違っていないので、
わかりやすい交通安全と景観向上を中心に、
三鷹市の現状に当てはめて検証していきたい。
まずは交通面だ。
三鷹市はバス、車、そして自転車が主流だ。
東京都三鷹市を地図(マピオンhttp://www.mapion.co.jp/)で見てみよう。
この市は4つの路線に囲まれている。
・北にはJR中央線(西から武蔵境、三鷹、吉祥寺駅)
・西には西武多摩川線(北から新小金井、多摩駅)
・東には京王井の頭線(北から井の頭公園、三鷹台、久我山駅)
・南には京王本線(西から西調布、調布、つつじヶ丘、仙川駅)
三鷹市役所の最寄り駅は三鷹駅で2000mも離れている。
はその中心に位置しているので、どこの駅から歩くにも30分はかかる。
ここでは車やバスといった交通手段が欠かせない理由がハッキリと分かる。
極端に言えば、どこへ行くにも遠い。
地図ではわかりにくいが、武蔵野台地南端に位置する平坦な土地と言っていい。
(三鷹市役所 http://www.city.mitaka.tokyo.jp/a014/p003/t00300008.html では、
複雑な地形と言っているが)
平坦な土地ということは、自転車も有効な交通手段である。
実際にJR駅周辺の放置自転車の多さには、行政も頭を抱えている。
それだけ自転車の需要があるということだ。
大雑把に分けると三鷹市は西部・中央部・東部の3つに分けられる。
それぞれ西から武蔵境駅、三鷹駅、吉祥寺駅をベースになる。
そうすると、市民は自宅から駅までの道を北上する。車であれ、バスであれ、自転車でもだ。そうすると南北方向の道路が重要なものになる。
西部は武蔵境駅へ繋がる『かえで通り』。中央部は三鷹駅へ繋がる『三鷹通り』、東部は吉祥寺駅へ繋がる『吉祥寺通り』。
この3つの道は、多くても3車線で広くはなく、主要な時間(朝夕の通勤時間帯)は最悪に混んでいる。
車が多すぎてバスは動かず、歩いたほうがマシ。自家用車は裏道、抜け道使い放題。
かといって歩行者は歩道を走る自転車に気を使って移動。
そんな状態なので南北方向に弱いのが三鷹である。
(地元の方々はそれを見越して移動時間を計算している)
さて、ここまで書いたものの電柱に関連する情報がほとんど書かれていないことにお気づきだろうか。
そう、電柱と交通を絡めて考えるには、それなりの前提と現状を把握するところから始める必要があるからだ。
(続く)